今年も無事に算定基礎届の提出は完了いたしましたでしょうか?
期日が毎年7月10日となっておりますので既に対応はお済みかと思いますが、9月分の社会保険料からの改定になりますので、まだ提出していない会社様は速やかにご提出をお願いいたします。
さて、算定基礎届の提出後の流れは把握されておりますでしょうか?
算定基礎届の目的
算定基礎届が年金事務所に問題なく受付されると、4〜6月の報酬月額を基に、9月以降の新たな標準報酬月額が決定されます。
随時改定(月額変更)との大きな違いは、1等級でも差が生じた場合でも新しい等級に変更されるという点です。
ちなみに、標準報酬月額はこのように等級表が設けられております。
※お住まいの都道府県ではなく、会社の所在地(健康保険適用事業所の届出を行っている場所)のある都道府県をクリックしてください。
例えば、4・5・6月の平均の報酬月額が255,000円の場合は、9月以降は26万円の標準報酬月額として保険料が計算されるということになります。
算定基礎届を提出後の会社の対応
このように、年金機構に「算定基礎届」という書類を提出することで、問題なく9月以降の新たな社会保険料が決定します。
では、会社としては何も対応しなくて良いのでしょうか?
普段給与計算をされている方はお気づきかと思いますが、このままでは会社が支払う保険料のみが改定されてしまい、従業員から徴収する保険料は従来の保険料のままとなってしまいます。
つまり、算定基礎届は日本年金機構へ支払う新しい保険料を申告する書類ということになります。
会社側では、必ず給与計算の従業員マスタを変更して、新しい保険料を徴収できるようにしてください。
給与計算の変更タイミング
新しい保険料は、令和5年9月分の保険料から適用されますので、
①保険料を翌月徴収している場合
10月支給の給与から徴収額を変更
②保険料を当月徴収している場合
9月支給の給与から徴収額を変更
翌月徴収の方が一般的であるため先に記載しておりますが、中には当月徴収される会社もあると思います。
万が一、自分の会社がどちらかわからないという場合には、昨年の給与明細をご覧いただき、保険料がいつ変わっていたかをご確認ください。
10月から保険料が変更されている場合は「翌月徴収」で、9月から保険料が変更されている場合は「当月徴収」の会社ということになります。
最近は、給与計算ソフトで自動的に計算されるので確認をしていないというケースもあるかと思いますが、毎月の手取り金額に大きな影響が出ますので、事前に従業員の方へ周知されることをお勧めいたします。
まとめ
労働保険料を計算して納める「年度更新」とは違い、未来の社会保険料を算定する「算定基礎届」は提出後に重要な業務が残されております。
誤って前倒して給与の保険料を改定してしまったり、あるいは保険料の改定自体を忘れていた、ということにならないよう、今のうちからスケジュールを立てて準備を進めることをお勧めします。